「受け」を起点にされる

「受け」を使う際のリスク

特殊受けのハピナスで特殊攻撃はバッチリ受けられる。後続にも電磁波を打ってアドバンテージ万歳。

ここまでが一般的な「受け」を使った動きでの理想パターンです。

しかし、実際の対戦ではここまで上手くはいかないんです。例えばハピナスの電磁波に合わせてガブリアスが出てきます。ここでハピナスを引っ込めるさいにみがわりを貼られます。あとはつるぎのまいからげきりんで全抜き、なんてこともありえるんです。
「受け」の弱点はなんといっても「決定力の低さ」にあります。耐久に努力値をまわしているため、攻撃技の威力が低すぎるのです。そこを狙って、そこそこの耐久を持つアタッカーはいくらでも出てきます。これが「受け」を使う際のリスクであり、このリスクをいかに克服するかが「受け」の概念を基本にパーティーを組む際の最重要ポイントです。
「受け」だから安定ではなく、「受け」こそが安定を崩す要素だと思うことが最善です。

降臨してきやすいアタッカー

主に「受け」の役割を対戦中に持つことが多いポケモンと、そのポケモンに対して降臨してきやすいアタッカーを紹介します。

ハピナス
とても多くのポケモンを呼びます。
でんじはを無効にできるじめんタイプ:ガブリアス、マンムー、エレキブル、カバルドン、ラグラージなど
ラムを持ったポケモン:メタグロス、バンギラスなど
でんじはをあまり苦にしないポケモン:カビゴン、カイリキーなど
でんじはではなく、どくどく型であれば、ゴウカザルやヘラクロスなども出てくるので注意が必要です。
当然物理アタッカーを呼びやすいため、物理方面に強いポケモンが後続にいると多少は安定します。ただし、それがまた「受け」要素の強いポケモンだったりすると、積み技(自分のステータスをアップさせる技)の起点などになりやすいため、押されがちどころか全抜きされる可能性すらあります。

ミロカロス
でんじはやどくどくと違い、補助技として的を選ばないさいみんじゅつやあやしいひかりのおかげで少し安定しています。
電気技がない場合:ギャラドス、エンペルト
電気技を持つ場合:エレキブル
その他:サンダース、ユキノオー、ルンパッパ、フシギバナ、ジバコイル、ヘラクロスなど
とくこうも程ほどに高く、物理も特殊もある程度耐久があり、補助技が的を選ばないため、比較的自己完結したポケモンです。しかし、くさタイプに圧倒的に弱いため、どくどくの所持などもリスク軽減の意味ではいいかもしれませんね。
積みポケモン(積み技を使用するポケモン)としてはりゅうのまいギャラドス、のろいカビゴンあたりが要注意です。カビゴンはのろいを2回は積まないと決定力がないのであやしいひかりやさいみんじゅつをかけて交代したいところ。

ヤドラン
攻撃技の範囲が広く多くのポケモンに一定のダメージを与えられる反面、攻撃技の使用が多いことから半減読みでアタッカーを呼びやすいです。
半減できる技読みで:ハッサム、ユキノオー、ルンパッパ、キングドラ、バンギラス、マニューラなど
特殊耐久が高めのポケモン:カビゴン、ヘラクロスなど
その他:サンダース、ジバコイルなど
メタグロス、カイリキーあたりへの役割からだいもんじ・サイコキネシス・なまけるの3つの技を固定して使われる場合が多いですが、最後のひとつがなみのりやれいとうビームだと少し単調になり、色々なポケモンを呼んでしまうことになると思います。後続へのサポートになるでんじはなどの技や、自身の決定力をあげるめいそうなどの技もあるといいかもしれませんね(めいそうはヤドランに対して決定力を持つポケモンに対しては更に弱くなってしまうので注意が必要です)。

ドククラゲ
ゴウカザルやボーマンダに強いという特殊な役割からぼうぎょやとくぼうの調整に努力値がとられ、さらにすばやさが100族という激戦区であるからすばやさにも努力値がとられ、攻撃方面は種族値も余り高くないため、非常に決定力が低いです。
攻撃技を半減するポケモン:ギャラドス、エンペルト、フシギバナ、スターミー、ゲンガーなど
その他:サンダース、メタグロスなど
どくびしで中盤以降では決定力を徐々に発揮してくるのですが、序盤はとにかく押されがち。そもそもどくびし、こうそくスピンによるアドバンテージ狙いのポケモンなので仕方ありません。他のポケモンはできるだけ決定力が高めのポケモンを準備しておきたいところです。ある程度耐久・決定力がありこだわりスカーフ持ちのポケモンがいれば少し安心できます。あやしいひかりやはたきおとすなどで少し相手に対するプレッシャーをかけることが可能になります。

エアームド・ドータクン
どちらも攻撃性能が低いですが、それぞれ解決策を持っており、起点にはされにくいです。
じりょくのポケモン:ジバコイル
物理方面に強いポケモン:ボーマンダ、ギャラドスなど
決定力の低さはドククラゲ並ですが、エアームドはほえる、ドータクンはだいばくはつがあるため、積み技の起点にはされにくいです。ただし、みがわり持ちのポケモンに対してはドータクンは圧倒的に弱いので交代際にどくどくやあやしいひかりなどの補助技をかけたいところです。エアームドはみがわり持ちのポケモンに対してはふきとばしのおかげで安定しますが、ちょうはつを絡められると厳しいです。どちらも物理方面への「受け」役割を持ちやすいですが、積まれた場合は物理ポケモンによって突破されることになるため、背水の陣状態になりやすい点が注意が必要です。

グライオン
はさみギロチンが諸刃の剣です。とんぼがえりがあればスムーズにつなげます。
ゴーストタイプ:ゲンガー、ロトムなど
みずタイプ:スターミー、エンペルト、ギャラドスなど
みがわり持ち:ボーマンダ、ガブリアスなど
こちらも物理方面への「受け」役割を持つポケモンでありながら、物理アタッカーによって突破される恐れがある点が問題ですね。はさみギロチンが当たれば一気に有利になりますが、外れれば何もせずに相手に自由に交代させたことになるため、その後の展開が非常に心配です。特にみがわり持ちのポケモンに対しては、はさみギロチンではまず突破できないため、他の攻撃技も考えておく必要があります。主な役割は「ヘラクロス受け」でありながら、みがわり剣の舞などに入られるとそのヘラクロスに突破される心配すらあります。

起点にされにくい「受け」

耐久性能がやや落ちたり、「受け」の役割を持てる範囲が狭まったりするものの、決定力がある「受け」も使いやすいです。

ボーマンダ、ギャラドスなどがその例になります。

負けパターン紹介

具体的に

こういう状態がめちゃくちゃやばいなどのパターンを紹介しておきます。

交代せざるをえない状況でのギャラドス、ボーマンダ、ガブリアス、バンギラス

物理アタッカーの積み技所持ポケモンです。

【負けパターン脱出方法】
ギャラドス:こだわりスカーフを持った、ギャラドスに大ダメージを与えられるポケモンに交代して流す。失敗すれば負け確定。
ボーマンダ:型が判明しなければ厳しい。りゅうのまい型と分かっていればギャラドスと同様の手段、または、りゅうのまい1回からげきりんを打たせて、はがねタイプのポケモン死に出しで潰す。
ガブリアス:ガブリアスに対して有効なダメージ手段があれば、1ターン目はみがわりの確立が80%くらいなので1回殴ってみがわりを潰す。そのポケモンが必要なければそのまま殴り続けて、殴られたときに死に出しでこおりのつぶて持ちなど。そのポケモンがその後も必要であれば、このタイミングでガブリアスの攻撃に1回耐えられ、1回の攻撃でみがわりを潰せるポケモンに交代。おそらくもう一回みがわりをしてくるので、次のターンにみがわりを潰す。ここでつるぎのまいを積んでくる可能性大。次のターンに攻撃力が二段階上がった攻撃でおそらく倒されるが、死に出しでガブリアスよりも早いポケモンをここで出せれば全抜きは防げる。砂隠れされると無理。
バンギラス:りゅうのまい型であれば1回ではすばやさが低いので殴り倒したい。2回以上積まれるとピンチ。<
いずれにも「いかく」がある程度有効。

みがわり+問答無用の攻撃:キノガッサ、トドゼルガ、やどみがポケモン

交代際にみがわりを貼られたパターン。キノガッサであれば次のターンにみがわりを潰してもキノコのほうしで詰んでしまいます。ラム持ちであれば、キノガッサよりも素早いポケモンであれば1回は流せますが、キノガッサよりも早いポケモンであれば逆に攻撃で突破されてしまいやすいです・・・。トドゼルガはみがわり→まもる→みがわり→まもるで霰状態であれば回復が追いつき、あられダメージで倒されてしまいます。やどみがポケモンも同様のうっとおしさです。

【負けパターン脱出方法】
「みがわりを貼られていない状態で、これらのポケモンよりもすばやいポケモンに鉢合わせる」を作り出すことが大切。
一番使いやすいのは「とんぼがえり」です。
例えば、
1ターン目:ゴウカザルに交代 キノガッサのみがわり
2ターン目:ゴウカザルのとんぼがえり→スターミー キノガッサのきあいパンチ!
このような流れが作れれば理想的です。とんぼがえり持ちは耐久が低いことが多く、キノコのほうしをうたれにくいポケモンであることも使いやすさに拍車をかけていますね。

受けられない状態でのスカーフ持ち、エレキブル

攻撃され続けて全抜きされるパターンです。

【負けパターン脱出方法】
基本的にここまで来ると勝てません。攻撃技が外れたり、乱数で耐えたりと何らかの運要素が働くのを期待して、でんじはや攻撃技などひたすら一番有効な技を選択しましょう。

その他

全抜きされることで人は対戦に強くなります。なので負けパターンを理論で回避するのもいいですが、一度全抜きされて身で学ぶのも大切なことだと思います。